【随筆】6億6千万円で牛丼何杯?(モノサシの話 その1)

某社の顧問を仰せつかっています。同社社内展開用に不定期に認めているメモ。一部加筆訂正してこちらに転載させていただきます。


大谷翔平の50-50記念球が6億6千万円で競り落とされたことが、大きな話題になっていましたね。

ある報道番組のコメンテーターが「牛丼だと、何杯分だろう?」と庶民的で好感度は高いかもしれませんが、(小生の印象では)イマイチなコメントをしていました。

なぜイマイチか、それは牛丼何杯分でも、(小生にとっては)「胸に落ちない」からです。

<脱線しますが、最近は、「腹に落ちる」、「腹落ちする」などという時が多くなっているようですが、本来は、「胸に落ちる」です。充分に理解できる、納得がいく、得心がいく、という意味です。>

Y野家さんのホームページを確認してみました。(10月31日現在の価格)

折角の50-50記念なので大奮発して、「アタマの大盛」(税込630円)に、サラダ&味噌汁セット(同206円)に、お新香(同151円)に、生卵(同107円)もつけてあげて、〆て1,094円ですので、6億6千万円で、この【50-50記念大振舞いY野屋セット】は、603,290食を提供できて、お釣りが740円です。

胸に落ちましたでしょうか?

世の中、FAKEも含めてほぼ無限な情報が飛び交っていて、日々、というか、分刻み、秒刻みでそれらに触れている我々としては、やはり、へぇそうなんだ、それは大変だ!いやいやそんなのそれほど大したことないな!と判断する感性というか、基準というか、物差しみたいなものがあると便利じゃないかな、と、考えている小生です。

例えば、これまた先日、10月12-14日の三連休の頃に、「紫金山アトラス彗星」が3万年ぶり(!)に地球に接近して、日本では日没後1時間くらいの間、西の空、水平線から30度あたりを飛んでいる、との報道がありました。そこに天文マニアの方が出演されていて「親指を上にして拳を握り、腕を水平線に水平にして西の空に抜けて伸ばすと、親指の付け根のあたりが大体10度なので、拳3個分が30度です。」という説明がありました。確かにやってみると、拳9個分で、大体、腕は垂直になりました。これなどは、いつかまた使えそうな「物差し」です。残念ながら、うっかりして彗星は見そびれました。

よく使われている「物差し」で、小生がピンとこないのが「東京ドーム何個分の広さ」です。それが何個でも小生にとっては胸に落ちません。東京ドームの広さそのものに実感というか、イメージが湧かないからです。興業ビジネスに従事されている方、あるいは、巨人ファンの方には、有効な「物差し」なのかもしれません。

小生は、大学時代は硬式庭球部で、夏は山中湖で合宿していました。そして雨でテニスコートが使えないと、ひたすら山中湖を走っていました。山中湖は一周14kmです。なものですから、大体15kmの倍数だと実感として湧きます。

あ、山中湖10周かぁ、マジか100周もするの?とか、と肌感覚で、なります胸に落ちます。

小生は、人数に関して、いくつか「物差し」を持っています。

(本稿では、人数関連に絞ってみます。他は、そのうち機会があれば。)

中国とインド、それぞれの人口:大体 14億人

米国とインドネシア、それぞれの人口:大体 3億人

パキスタンとナイジェリア、それぞれの人口:大体2.5億人

ブラジルの人口:大体2億人

ロシアの人口:大体 1.5億人

日本の人口:大体 1.5億人

東京都の人口:14百万人

北海道の人口:5百万人

長野県の人口:2百万人

富山県の人口:1百万人

島根県の人口:50万人

東京ドームのイベント次第ではあるが、大体の収容人数: 5万人

武道館の大体の収容人数:1万人

この物差しだと、50-50記念ボール落札価格があれば、島根県民全員に加えて、満員御礼の東京ドームイベント二日分の観客全員に、【50-50記念大振舞いY野屋セット】を無料配布できます。(配送料含まないので、皆に並んで貰わないとなりません)

例えば、11月7日、日産自動車が「世界の生産能力を20%削減し、全体の1割弱に当たる9,000人規模の人員削減に踏み切ると発表した。」と報道されました。

小生の「物差し」だと、武道館9杯分の全従業員の1杯弱を解雇するという話なんだ、と、考えます。(リストラ対象の人たちには申し訳ないですが)

応用問題は、今年の10月1-7日の7日間、中国の国慶節(中華人民共和国の建国記念日です)の際、日本中のマスコミがほぼ異口同音に発した「延べ19億人が移動する」という報道です。

調べていませんが、元々のニュース・ソースが一緒なのでしょう。だからこその異口同音だったのでしょう。

まず、「延べ」が問題です。国慶節の時には、中国中の人たちが、故郷に帰るか、旅行します。帰省も旅行も、往復なので、実際に移動する人数は、半分です。9.5億人ですね。上記の「中国の人口」を物差しにすると、14億人の68%です。

「国慶節では、中国の7割弱の人たちが何処かしらに数日間で移動するので、大変です。」で良いはずなのに、更に、なんか大きな数字に膨らませてセンセーショナルな報道にしたかったのか、と、偏屈な小生は考えたりします。

でも、待てよ、と、全人口の7割ってやはりすごいことじゃないの?

ちなみに日本ではどうなのだろう、と、最近、色々と質問している ChatGPT君に調べてもらいました。

  • JTB調査によると、2023年末・2024年始期間中に1泊以上の旅行に出かけたのは、国内旅行で 2,800万人(日本全人口の23%)、海外旅行で58万人(同0.5%)。
  • 同調査で、2024年夏休み期間(含むお盆)(7月15日〜8月31日)に一泊以上の旅行をしている人は、国内旅行で6,500万人(同54%)、海外旅行で250万人(同2%)

となるそうです。

今回は、このコラムを書くために、CHAT GPT君を動員したわけですが、これによって、やはり中国の国慶節は、その絶対的人数のみならず、色々と諸般の要素から推察すると、中国できっと壊滅的なカオス状態だったのだろうなぁ、と想像がつきますね。

そして、50-50記念ボールの落札価格で、【50-50記念大振舞いY野屋セット】を2023年末・2024年始に海外旅行する人たちが空港出発する際に、搭乗ゲートで、全員に無料配布した上で、更に武道館で開催される満員御礼コンサート二日分、観客全員に配れる、ということも判明しました。

おあとがよろしいようで

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